『サッドティー』は、好きって何?を考えさせられる良作!【映画レビュー】
こんばんは、太田ドクソです。
今日は『サッドティー』をレビューします!
大学生の時に見て以来ずっと大好きな作品です。
現在監督の今泉力哉さんの新作『パンとバスと2度目のハツコイ』が公開中です!
今から見てきます!(笑)
『サッドティー』のあらすじ
二股を解消したい映画監督とその2人の彼女、喫茶店のアルバイトの女の子とマスター、恋人へのプレゼントを買いに行ったお店の店員に一目ぼれしてしまう男、元アイドルを10年間思い続けているファンと、そんなファンの存在を知り会いにいこうと決意する結婚間近の元アイドルなど、さまざまな恋愛模様を通して「ちゃんと好き」とはどいうことかを考察していく。
平たく言うと、「いろんな人のいろんな好きについての話」です。
ドクソの感想
サッドティーはしっかり入れ込んで観る、というよりは生活音の一つみたいな感じでながら見することが多いです。(観すぎて話は覚えた)
今泉監督は「日常」を切り取る達人なので、ながら見でもすべてが伝わってくる。と、思う……。
自分はだれタイプかで面白い場面が変わる!
サッドティーには全部で12人の登場人物がいます。そして一人として同じタイプがいません。その全員が「いるいる!」と思うのに、いやいないだろこんなやつ……とも思う。
限りなく日常的な作品ですが、その登場人物の「一見普通に思ってしまうけど、よく見たらめっちゃ変」という感じが絶っ妙なの。
二股男も出てくるし、DV男との結婚を控えた0も出てくるし、めっちゃ一途なタイプの人たちもいるし、観れば見るほど「好きとは…」の迷宮入り。
でも、「好き」ってみんな何かに対して1度は持つ感情じゃん?
みんな1度は持つのに、みんなやり方とか形が違う不思議な感情が「好き」だとドクソは思うんですが、この作品ではそれを無理やり「これが正しい、だれだれの好きの形が正解だ」っていうようなことはしないの。だから、優しい気持ちでみられます。
押し付けてくる系の作品って映画に限らずうざいもんね。
初めて見た時はドクソは園子ちゃんタイプだと思ったんだけど、改めてみるとミドリちゃんぽくなってきたなあ……人って変わるんだね。
トリプルファイヤーの音楽がいい!
インストの曲も、歌詞入りの曲も、とにかく楽曲の変な感じがいいんです!
サッドティーの曲を手掛けるのは「トリプルファイヤー」というバンドなんですが、何とも言えない世界観の曲で、変なロックって感じ。(笑)
作品自体がちょっと異世界な雰囲気をたたえているんだけど、その異世界感を音楽がまた加速させてます!
映画においてBGMはかなり大事だと思うんですが、このチョイスはナイスです。ちょっとパンチのあるBGMで、うちの旦那は最初観た時は「は?何この歌(笑)」と言っていましたが、観終わったころには「このサウンド…いいね!」と言っていました。
映画と曲のマッチングって大事だよね。
「日常の普通」がひっくり返る(かも)
サッドティーは、「映画を観る」ていでみるよりも、「人の暮らしをのぞき見して考える」という感じでみると結構しっくりくると思うの。
今泉先生の作品は総じて言葉選びが不思議に面白くて、サッドティーも例外ではないんだな。
お話の中心、柏木と謎の存在感を放つ棚子ちゃんの会話↓
棚子「柏木さんって何で二股とかしてるんですか?暇だから?」
柏木「いや、違うよ。てか、暇だから二股って最低でしょ」
というこの会話、めっちゃさらっとしているので「それな~」と言いたくなるでしょ。
でも浮気してる時点で柏木、お前最低中の最低だからね???
こんな会話がめっちゃ出てくるので、観終わる頃には「普通ってなんだっけ」と思うし、それだけなく「私の普通は誰かにとって普通じゃないのかも」と、日常を見る目も変わります。
まとめ
普通の恋愛映画に飽きた人、実生活で恋愛に疲れちゃった人に全力でおすすめしたい作品です!
ゆるく見えて結構頭使わされる作品だけど、観終わった後は謎の「救われた」気持ちになる不思議な映画。
あんまり深く考えずに、眠れない夜のお供にもいいと思いますよ◎
主要キャスト
柏木芯:岡部成司
青木棚子:青柳文子
朝日隼也:阿部隼也
加藤夕子:永井ちひろ
甲本夏:内田慈
監督:今泉力哉
公開年:2014年
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